川﨑木珠ブログ BLOG

2026年6月8日

思い通りに染まらないから面白い ― 草木染めと木の個性

reef
六月に入り梅雨らしい季節となりました

 

「木は、布のようには染まってくれなかった・・・」

実際に草木染めを始めてみると、

「木」は思った以上に手強い存在でした。

同じ染液を使っても、染める木の種類によって
色の出かたは変わります。

「昨日はきれいに染まったのに・・・」

そんなことは、何度もありました。

特に日本の木は樹種ごとに表情が大きく異なります。

その個性を活かしながら草木染めで新しい色を
生み出すことは、簡単ではありませんでした。

染める木材だけでなく、染液をつくる素材も
また思い通りにはいきません。

染液づくりでも同じ事がありました。

そんな経験のひとつが、紅梅の木でした。
本紅梅

枝や幹まで赤みを帯びた木を手にしたとき、
「この素材を煮出したらきっと鮮やかな
染液ができる。きれいな赤色に染まる」
と期待しました。

そして、煮出した染液で染めてみましたが、
出てきたのは思い描いていた色とは違うものでした。

真っ赤な木だからといって、
赤く染まるとは限りません。

自然の素材は、見たままの色をそのまま
出してくれるわけではなかったのです。

紅梅染液

草木染 紅梅

同じように見える木でも、染めてみると

毎回違う表情を見せてくれます。

試しても、重ねても、理想には

届かないことの方が多いものです。

 

正直、商品にはならないと判断することもあります。

それでも続けているのは「これだ!」と、
思い描いていた色に重なる瞬間があるからです。

「ようやく形になった」と嬉しさが広がります。

 

私たちは長年、木と向き合ってきました。

木の種類ごとの特徴や性質を知り、
その魅力を引き出してきた積み重ねの歴史が
私たちにはあります。

木玉 藍染め
木玉 紫根染め

だからこそ、木の個性を大切にしながら、
草木染めによる新しい色づくりを
日々続けることができるのです。

遠回りに見えることもありますが、
その積み重ねの中でしか
出会えない色があります。

紫根染めと藍染めをした木玉

私たちだからこそ生みだせる色。

木と草木染めの組み合わせだからこそ表現できる色。

そんな色を、これからも探し続けていきたいと思います。

 

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