社長ブログ BLOG

2026年5月22日

草木染に思いを馳せて


子どもの頃、母の実家に行くと
「近づいたら危ないよ」と言われる場所が
ありました。

そこの地面には大きな甕(かめ)が
埋められていて、おそらく藍染めに
使われていたものだったと思います。
傍らには織り機もありました。

近江八幡は、かつて蚊帳づくりが
盛んな土地で萌黄色を生み出すための
藍を扱う紺屋もあったと聞きます。
幼い頃に見ていたあの景色も、その土地の
仕事の記憶だったのかもしれません。

今、わたしたちは草木染めで木珠を
染めるという新たな挑戦をしています。
色と向き合っていると、ふと 
あの頃の空気がよみがえるのです。

遠い昔のことかもしれません。
けれど、どこかで静かにつながっている
ようなそんな気がしています。

ある日、テレビで草木染めをされている
女性の姿を目にしました。
そこに映っていたのは、それまで私が
抱いていた草木染の世界とは
まったく違う世界でした。

やわらかく澄んだ色。
自然から生まれたとは思えないほど、
明るく美しい色彩。
その瞬間 「これだ」と感じたことを
今でも鮮明に覚えています。

ちょうどその頃、海外からの木材が
入ってこなくなり、日本の木だけでは 
どうしても色味が似通ってしまうことに
悩んでいました。

 

どうすれば自分たちらしい色に
出会えるのか。

 

そんなことを考えていたときに
出会った草木染めは
暗闇の中に差し込んだ
ひと筋の光のようでした。

今、私たちは「草木染め+木珠」という
新たな挑戦をしています。
思い通りにはいかないことも多くあります。
けれど、手をかけることでしか
出会えない色があることにも気づきました。

いまだ、試行錯誤の途中ではありますが、
これからも自分たちなりの色を
探し続けていきたいと思います。

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